注意欠如・多動症(ADHD)とは?自己愛性人格障害との違い
注意欠如・多動症(ADHD)とは、多動性・衝動性が強い、不注意が多いという特性が見られる障害です。
具体的には、落ち着きがない、待てない、集中力が低い、ミスが多いといった特徴が見られます。
最近、大人の発達障害が注目され、注意欠如・多動症(AHDH)と診断される人が増えていると言われています。
ルールや約束を守るのが苦手な人が、ADHDと診断されるようです。
しかし、自己愛性人格障害(NPD:自己愛性パーソナリティ障害)も、ルールや約束を守れない障害なのです。
むしろ、発達障害のADHDよりも、自己愛性人格障害の方が数が多いため、ルールや約束を守れない人の多くは自己愛性人格障害なのです。
・注意欠如・多動症(ADHD)… 発達障害の一種で、先天性(生まれつき)の障害
・自己愛性人格障害(NPD) … 人格障害の一種で、後天性(育った環境が原因)の障害
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自己愛性人格障害は、不注意なだけのADHDと異なり、ハラスメント気質です。
また、自己愛性人格障害者の中には、「自分はADHDだ」と主張する人もいます。
そのため、ADHDと自己愛性人格障害をしっかり見分ける必要があります。
見分けるポイントは、自己アピール、ルール嫌い、約束を守らないことです。
自己愛性人格障害者がADHDアピールする理由については、最後に解説します。
【目次・ADHDと自己愛性人格障害を見分けるポイント】
ADHDと自己愛性人格障害は、似ている部分もありますが、本質的には全く異なります。
それぞれのポイントについて、解説していきたいと思います。
ADHDアピールするのは、自己愛性人格障害
自己愛性人格障害は、承認欲求が高く、自己アピールをよくするのが特徴です。
自己愛性人格障害者は、「特別な存在になりたい」という願望が強く、特別な自分アピールをする傾向があります。
そのため、「自分はADHDかもしれない」、「病院でADHDの診断を受けた」などと、周囲にアピールすることがあります。
自己愛性人格障害は、何よりも「人からどう見られているか」に執着する病気なのです。
ADHDには、承認欲求が高いという特徴はありません。
むしろ、頑張っていても、どうしても遅刻してしまう、片づけができないなどの欠点を気にしていて、自己肯定感が低い人が多いです。
ADHDは、目立ちたがり屋ではないし、特別願望も持ちません。
仕事や家庭などの伝える必要がある人にだけ「自分はADHDだ」と伝えるだけです。
自己愛性人格障害は自己アピール好き、ADHDは自己アピールしないと覚えておけば、分かりやすいでしょう。
こだわりを押しつけるのは、自己愛性人格障害
自己愛性人格障害は、社会や学校などのルールを嫌うという特徴があります。
自己愛性人格障害者は、自己中心性や特別意識が強いため、ルールを守らず、我を通そうとする傾向があるのです。
また、自分は一般ルールを守らないにも関わらず、自分ルールを人に押し付ける、異常な感覚を持ちます。
例えば、コロナ禍で、マスクを着用するというカンタンなルールさえ拒否反応を示し、トラブルやデモを起こす反マスク信者が分かりやすい例です。
ADHDは、衝動性や不注意によって、ルールを守れないことがありますが、脳の特性でどうしてもそうなってしまうというものです。
ADHDは、自己中心性や特別意識はなく、我儘を通そうとする訳ではありません。
むしろ、ルールを守ろうと意識していても守れないことを悩んでいるケースが多いです。
また、ADHDは、自分ルールを人に押し付けるということもありません。
自己愛性人格障害はルール嫌い、ADHDは衝動性と不注意の特性があるだけと覚えておけば、分かりやすいでしょう。
論理力が低いのは、自己愛性人格障害
自己愛性人格障害は、約束を守らないという特徴があります。
自己愛性人格障害者は、誠実さが欠け、人との約束を守ることを大事だと思っていません。
直前のタイミングで約束をキャンセルする、約束を反故(ほご)にするといったことを平気でします。
そのくせ、相手が自分との約束を守れないと、強い不満を露にし、いつまでも根に持ちます。
ADHDは、衝動性や不注意によって、約束が守れないことがあります。
例えば、遅刻が多いのがADHDの典型的な症状です。
しかし、ADHDは遅刻を悪いことだと認識しており、遅刻することに申し訳なさを感じています。
適切な療養や工夫によって、ADHDの遅刻癖は改善するケースがあります。
自己愛性人格障害は誠実さに欠け、ADHDは衝動性や不注意の症状があるだけと覚えておけば、分かりやすいでしょう。
まとめ
ADHDと自己愛性人格障害の違いについて解説しました。
ところで、なぜ、自己愛性人格障害者は、ADHDアピールをするのでしょうか?
それは、自己顕示欲と自己正当化のためです。
自己愛性人格障害は、ワガママ病として知られるネガティブな病気なので、自分がそれだと認めたがらないのです。
それに対し、ADHDは「生まれ持った特性」という特別感があります。
自己愛性人格障害は、特別願望を持つ病気なので、自分を飾るためにADHDアピールをするのです。
また、自己愛性人格障害は、人に厳しく自分に甘い、という特徴があります。
ルールや約束を守れない性格を、ADHDだからと正当化しているのです。
生まれ持った性質のADHDだから配慮してほしいという、身勝手な要求でもあります。
自己愛性人格障害者が、病院でADHDの診断を受けているケースもあります。
日本の病院でADHDと診断されていても信用してはいけません。
日本の心療内科は玉石混交で、ADHD診断を求める患者が自己愛性人格障害であることを疑わない先生もいます。
ADHD診断を求められたら、ADHD診断用の問診だけをして終わり、という先生が一定数いるのです。
そのため、自己愛性人格障害者がADHDの診断を受けてしまうことがあるのです。
自己アピールや診断を鵜呑みにするべきではありません。
ADHDと自己愛性人格障害を自分で見分けるよう心がけた方がいいでしょう。
ADHDと自己愛性人格障害の大きな違いは、自己アピール、ルール嫌い、約束の認識です。
いずれも、日頃のコミュニケーションに表れるため、注意していれば容易に見分けることができます。
自称ADHDに性格的な我儘さが見られたら、自己愛性人格障害を疑うといいでしょう。