自己愛性人格障害の原因!溺愛・親バカ・放任主義
近年、毒親、DV、パワハラ、モラハラ、ストーカー、いじめ、ネットの誹謗中傷などが、社会で問題となっています。
これらの加害者は、自己愛性人格障害(NPD:自己愛性パーソナリティ障害)という病気であることが多いです。
自己愛性人格障害特有の自己中心性や共感力欠如により、このような問題を引き起こすのです。
自己愛性人格障害の原因は、幼少期に甘やかされ、適切な躾を受けずに育つことです。
溺愛、親バカ、放任主義などによって、自己愛性人格障害の子供が生み出されるのです。
ここ最近、叱らない子育てや、個性を尊重する子育てなどの育児法が持てはやされています。
しかし、これらの育児法は、やり方を間違えると、子供を自己愛性人格障害にするリスクが高いのです。
例えば、「最近の若者は、親から叱られてないから打たれ弱い」と言われますが、これはまさに、自己愛性人格障害の若者の特徴なのです。
また、不登校になる子供の多くは、叱らない子育てによって、甘やかされた子供であることが多いです。
自己愛性人格障害は、自己中心的で我儘な性格になる病気です。
子供が自己愛性人格障害になると、社会に迷惑をかけるとともに、親自身も苦労することになります。
どのような子育てが子供を自己愛性人格障害にするか、理解するが大事です。
子供を自己愛性人格障害にする子育ては、溺愛、親バカ、放任主義です。
【目次・子供を自己愛性人格障害にする子育て】
いずれのタイプも、子供の自己愛を悪い方向に肥大化させるズレた子育てです。
このようなズレた子育てをしてしまう親自身も、自己愛性人格障害の傾向があるのでしょう。
自己愛性人格障害者の親の共通点として、子供が問題を起こしても、自分の子育ての問題点を認めないという特徴があるのが、その証拠です。
それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。
溺愛
子供を溺愛する依存的な子育ては、自己愛性人格障害の原因になります。
このタイプの親にとっては、子供は愛玩の対象でしかなく、可愛がりだけをしたいのです。
親として子供を一人前の大人に育てる気がなく、友達親子のような関係性を望みます。
子供が大きくなっても、小さい子供に世話を焼くような接し方を続け、子離れしません。
溺愛されて育った人は、信者型の自己愛性人格障害になります。
幼少期に親からの溺愛を受けることで、親以外の人からも溺愛対応を求める思考となってしまうのです。
溺愛などしない普通の対応をする人を、都合の悪い人物だと捉えます。
そのため、信者型の自己愛性人格障害は、打たれ弱く、現実を直視できない、依存的な性質となります。
そう、信者型の親が子供に依存した結果、子供も信者型となるのです。
信者型の親子は、共依存関係となっていることが多いです。
このように、溺愛する子育ては、信者型の自己愛性人格障害を生み出すのです。
親バカ
自分の子供は特別だとチヤホヤする親バカの子育ては、自己愛性人格障害の原因になります。
親バカの本質は、“自分の子供は、他の子供と違って特別だ、特別であってほしい”という思想です。
親バカは、自分の子供に対して、容姿や才能、成績などの特別性を求めているのです。
「自分の子供は、特別に可愛い、ハンサムだ」、「自分の子供は、天才だ、神童だ」などが、が典型的なチヤホヤパターンです。
容姿でチヤホヤされた子供はルックス型、才能でチヤホヤされた子供はカリスマ型、学業やスポーツの成績でチヤホヤされた子供は努力型の自己愛性人格障害となります。
幼少期にチヤホヤされて育った人は、“自分は特別な存在だ”と勘違いしてしまうのです。
普通に育った人なら、「上には上がいる」と客観視できるし、「容姿・才能・成績だけが全てじゃない」と広い視野を持てます。
しかし、客観的、俯瞰的な思考が発達しなかった人は、自己中心性しかない自己愛性人格障害になるのです。
放任主義
子供に躾をしない放任主義の子育ては、自己愛性人格障害の原因になります。
放任主義は、子供に“するべきこと”も“してはいけないこと”も教えず、好き勝手にさせます。
思いやりを教わらなかった子供は、思いやりのない大人になります。
努力を教わらなかった子供は、努力できない大人になります。
人として大切なことを教わっていない子供は、人としての基礎が出来上がりません。
思いやりの大切さを教わっていない子供は差別型、努力の大切さを教わっていない子供は怠惰型の自己愛性人格障害となります。
差別型の自己愛性人格障害は、いじめや差別、ネットの誹謗中傷をして、平気で人を攻撃する思考となります。
怠惰型の自己愛性人格障害は、努力をせず、楽して得したいという思考になります。
まとめ
自己愛性人格障害の原因となる子育ての特徴について、解説しました。
溺愛タイプが信者型、親バカタイプがルックス型、カリスマ型、努力型、放任主義タイプが差別型、怠惰型の自己愛性人格障害の原因となります。
幼少期の接し方によって発症するため、親の責任が重大です。
子供を依存対象とする、特別な子供がほしい、躾なんか必要ないというのは、全て親のエゴです。
自己愛性人格障害は、ごく軽度の場合を除いて、治ることのない病気です。
自己中心性が高い病気なので、人から指摘されたり、病院で診断を受けたりしても、自己正当化して自分の問題点を直視しないのです。
つまり、最初から自己愛性人格障害を発症させないことが、何より重要なのです。
子育てに、流行りも裏技も変化球もありません。
褒める時は褒め、叱る時は叱る、普通の子育てをすることが大事です。