カンニング不正をする人の特徴・自己愛性人格障害(NPD)
カンニングとは、不正な手段を用いてテストで良い点を取ろうとする行為です。
近年、大学入試や新卒の採用試験で、カンニングが増えており、社会問題となっています。
スマホやWebを利用するのが特徴で、手口が年々、巧妙化しています。
カンニングする人は、自己中心性や努力嫌い、承認欲求、想像力の欠如といった特徴があります。
カンニング不正をする人は、自己愛性人格障害(NPD:自己愛性パーソナリティ障害)という病気の可能性が高いです。
最近、コツコツ勉強することを嫌い、ラクして得しようとするズル賢い若者が目に付くようになりました。
彼らは、そんな自分が賢いと調子に乗っています。
そんな世相を反映しているのが、カンニング不正の増加です。
カンニングをした人や、カンニング協力者が、警察に逮捕されるケースが増えているのです。
カンニングをするような若者は、大学も企業も取りたくない、最も価値のない人物です。
マジメな学生が落とされて、ズルをした学生が合格・採用となるのはあってはならないことです。
ズルをして望んだ結果を得ようとする人物は、社会から排除されるべきです。
Twitterでカンニング不正を請け負う業者や個人がいることも、カンニングのハードルが下がっている原因です。
割りのいい副業のような感覚で大学生や社会人がカンニング協力者となるケースもあれば、組織的に勧誘と不正を行うカンニング業者も存在します。
Twitterによって、ズル賢い若者とズル賢い大人が容易につながってしまうのです。
カンニングの手口は、スマホで試験問題を撮影し、外部の協力者に送信して解かせるパターンが多いです。
また、Webテストでは、試験画面を協力者と共有し、問題を解かせるという手口が使われています。
カンニングをそそのかす大人がいたとしても、大部分の若者はマジメに勉強をして試験に臨みます。
なぜ、カンニングの誘惑に負けてしまう若者がいるのでしょうか?
カンニングをする人の本質は、身の丈に合わない高い目標を持ち、それを達成するためならどんな手段を使ってもいい、という考え方をすることです。
例えば、成績が良くないのに上位の大学に入りたい、学歴が低いのに大手企業に入りたいといった高望みが動機となります。
カンニングをする人の多くは、自己愛性人格障害(NPD)という精神疾患だと考えられます。
自己愛性人格障害は、自己中心性、承認欲求、想像力の欠如といった特徴を持ちます。
そのため、自分が望む結果が得られさえすれば、手段は何でもいいという思考に陥りやすいのです。
稼げれば手段は何でもいいと考えるカンニング業者もまた、自己愛性人格障害の可能性が高いです。
自己愛性人格障害の原因は、溺愛や放任主義といった間違った子育てです。
努力や現実の客観視、身の丈の幸せを教えられず、甘やかされたり、放任されたりして育った人は、自己愛性人格障害を発症しやすいのです。
【目次・カンニングする人の特徴】
それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。
自己中心性
カンニングをする人は、自己中心性が高いという特徴があります。
自己中心性が高いと、努力嫌いで我慢や辛抱ができないワガママな性格となります。
同世代と比べて幼稚であり、大人になっても、嫌なことから逃げ、楽に流れる傾向が強いです。
また、自分の行動や考え方を反省することができず、逆ギレしたり、不正な手段で解決しようとしたりします。
例えば、勉強をサボっていたことで受験や採用で不利になると、自分が悪いと考えず、学力で振り分ける社会が悪いと逆恨みします。
そして、カンニング不正に手を染めてしまうのです。
自己中心性が高い人は、自己正当化する傾向が強いです。
学力で差をつける社会が間違っている、だからカンニングは悪くないと、開き直ります。
勉強を頑張らないから受験や採用で上手くいかないという、当たり前の自己責任論を受け入れることができないのです。
また、自分と同じようにカンニングしている人はたくさんいるだろうと、都合のいい思い込みをして、現実逃避してしまいます。
ズルをすることに罪悪感を持たないため、味を占めて、ズルを繰り返してしまいます。
自己愛性人格障害の代表的な症状に、自己中心性の高さがあります。
自己愛性人格障害者は、良識や倫理観、遵法意識に欠け、自分が得することしか頭にありません。
ラクしていい人生を送りたいというのは、自己愛性人格障害者によくある思考パターンです。
勉強嫌いの一方で、ズル賢さはあり、不正の方法を見つけるのは得意であるケースも多いです。
若い頃からカンニングなどの不正に興味を持ち、大人になっても、不正な手段で稼ぐことを志向します。
承認欲求
カンニングする人は、努力嫌いなのに承認欲求が高いという特徴があります。
勉強嫌いなのに、一流大学や有名企業に入りたいという、無謀な願望を抱くのです。
客観視ができず、高望みしている自分がおかしいという自覚を持つことができません。
実力で合格や採用を勝ち取ることができないため、カンニングに手を染めてしまいます。
承認欲求が高い人は、見栄っ張りで特別な自分になりたがる傾向が強いです。
一流大学や有名企業は、特別な自分を演出するためのステータスでしかありません。
そこに到達するための努力や、そこに入って何をしたいかという目標に関心がなく、人が羨むような肩書や地位が欲しいだけなのです。
目立ちたい、チヤホヤされたいという願望で頭がいっぱいなチャラい人間性であることが多いです。
自己愛性人格障害の代表的な症状に、過剰な承認欲求があります。
自己愛性人格障害者は、人から羨ましがられるような特別なステータスを欲しがります。
自分を飾るためのステータスにしか興味がないため、中身がなく薄っぺらいという特徴があります。
普通の人なら、身の丈に合わない願望は諦めるのですが、自己愛性人格障害者はステータス願望に固執します。
強い執着心から、不正な手段を使ってでも、特別なステータスを手に入れたい、という発想になってしまうのです。
関連記事:「承認欲求とは?自己愛性人格障害の特徴」
想像力の欠如
カンニングをする人は、想像力が欠如しているという特徴があります。
もしカンニングがバレたら大きなペナルティを受けてしまう、という想像すらできません。
良い大学や大企業に入りさえすれば、いい人生が送れるとう発想しかできない単純思考なのです。
不正な手段で入ったレベルの低い人物は、レベルの高い環境でついていけない、ということも分かりません。
カンニングのようなズルをする人は世間から嫌われ蔑まれている、ということにも気づいていません。
自分と違ってマジメに勉強して努力している若者がいる、ということも無関心です。
カンニング不正の証拠を握っている協力者に脅される可能性もあるというリスクも把握できていません。
同世代と比べて明らかに思慮が足りておらず、間違いなく優秀な人物ではありません。
自己愛性人格障害の代表的な症状に、想像力や共感力の欠如があります。
自己愛性人格障害者は、他者の気持ちや意図、自身の行動による結果を想像することができません。
そのため、自己愛性人格障害者には、不正やトラブルが付き物なのです。
想像力や共感力の欠如は、罪悪感を持てないことにもつながります。
例えば、大学や企業の「優秀な人物をとりたい」という意図を正しく理解することができず、カンニング不正も一つの手段だと思ってしまいます。
まとめ
カンニング不正と自己愛性人格障害の関係について解説しました。
自己愛性人格障害の自己中心性、承認欲求、想像力の欠如は、カンニングをしてしまう原因となります。
自己愛性人格障害は、治すのが難しい病気だと言われています。
一度、ズルや不正の味を占めた自己愛性人格障害者は、治らないと思った方がいいでしょう。
あなたの周りに、カンニングをしている人はいませんか?
大学や企業からすれば、不正な手段でラクしようとする若者は、一番落としたい対象です。
平気でカンニングをする若者は、たかがカンニングと軽く考えています。
カンニングが上手くいくと、それが成功体験となり、不正で得しようとする大人になってしまいます。
まだ若いからといって甘い対応をするのではなく、厳しく取り締まるべきでしょう。