カルト(新興宗教)とは?高額献金・強引な勧誘・宗教2世問題
カルト(新興宗教)とは、信者の不安を煽り、高額のお金を搾取する仕組みを持つ悪質な宗教団体のことです。
具体的には、信者を多額の寄付・献金に誘導する、信者に勧誘活動をさせる、信者の子供を入信させるといった特徴があります。
また、教えに従わないと不幸になる、罰が当たる、地獄に落ちるといった、不安や恐怖心を煽る教義が必ずあります。
信者本人だけでなく、家族全員の人生が狂わされるケースが多数出ており、れっきとした社会問題です。
カルト信者の親の多くは、子供に宗教を押しつける毒親となります。
宗教2世問題が事件の動機になるなど、カルト宗教の体質に非難の声が上がっています。
日本には多くのカルト宗教があるため、勧誘にあったり、広告を目にしたりしたことがある人は多いでしょう。
しかし、普通の人は、カルト宗教に興味を持つことはありません。
カルトの宗教団体も、信者になりやすいタイプとなりにくいタイプがいることを知っています。
その上で、信者になりやすい人をターゲットとし、搾取する仕組みを作り上げているのです。
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どのような人が、カルト宗教に傾倒してしまうのでしょうか?
カルト宗教の信者になりやすい代表的な病気として、自己愛性人格障害(NPD:自己愛性パーソナリティ障害)があげられます。
自己愛性人格障害は、自己中心性がとても高く、自分のことしか考えられないという性質があります。
そのため、思い込みや依存心、承認欲求が強く、カルト宗教にのめり込みやすいのです。
カルト信者の問題行動は、自己愛性人格障害による症状と深い関係があります。
【目次・カルト宗教信者の問題行動】
それぞれの問題行動について、解説していきたいと思います。
宗教に高額を貢ぐ
カルト宗教は、正当な宗教に比べて、信者に金銭的負担を強いるという特徴があります。
お布施などの寄付はどの宗教でも募っているもので、それ自体はおかしいものではありません。
しかし、カルト宗教は、たくさん寄付するほど徳を積むことができる、信者の中での地位が上がるなどと煽って信者を高額寄付へと誘導する巧みな手口を使っています。
また、壺や印鑑などのアイテムを置くと運気が上がると謳い、高額で購入させる霊感商法と呼ばれる手口もあります。
悪徳なカルト宗教は、拝金主義であり、信者を集金装置としか思っておらず、人生を良くしてあげたいなんて思っていないのです。
最も悪質なのは、お金がないにも関わらず多額の寄付をしてしまう信者に貢がせ続けるケースです。
本当に信者のことを思っているなら、生活や家族計画に支障が出るほどの寄付は遠慮するはずです。
しかし、カルトの宗教団体が「無理してそんなにたくさん寄付しなくていいよ」と気遣いをすることは、決してありません。
宗教に熱狂的に貢ぐ信者の中には、家のお金を使い込み、自己破産するケースもあります。
子供の学費が使い込まれて進学できなくなるなど、子供の人生まで大きく狂わされてしまうのです。
ギャンブルにお金をつぎ込むギャンブル依存症者と同じで、寄付にお金をつぎ込むカルト信者も、周囲が注意しても止めることができません。
自己愛性人格障害の主な症状に、強い承認欲求と依存心があります。
「高額を寄付することで宗教関係者から認められたい」という承認欲求を満たすことが、寄付をする動機となります。
さらに、寄付を止めたり額を少なくしたりしたら、宗教関係者から嫌われるのではないか、という「見捨てられ不安」から、寄付を止めることができなくなります。
また、自己愛性人格障害者は自己中心性が高いため、家族にかかる迷惑を考えることができません。
そのため、自己愛性人格障害者は、後先を考えず高額を貢ぐ宗教信者になりやすいのです。
強引な宗教勧誘を行う
カルト宗教は、信者に勧誘活動をさせるという特徴があります。
正当な宗教では、宗教活動をするのは聖職者の仕事であり、信者が勧誘をすることはありません。
つまり、これがカルト宗教と正当な宗教の、決定的な違いとなります。
カルト宗教の信者による勧誘活動は、マルチ商法(ねずみ講)に似たシステムとなっています。
信者の勧誘により新たな信者を獲得できれば、その信者もまた勧誘要員となる訳です。
カルト宗教は、信者に勧誘ノルマを与える、勧誘に成功すると宗教内での地位が上がるといった巧妙な仕組みを持っています。
これにより、信者の承認欲求を煽り、勧誘活動に熱中させるのです。
ノルマを達成することで頭がいっぱいになった信者は、手段を選ばない強引な勧誘をしてしまいます。
例えば、一人の相手を数人の信者で囲んで「入信しないと解放しない」と脅す手法や、趣味のイベントだと騙して宗教施設に連れ込む手法、営業マンのように家に上がり込み長時間居座る手法などがあります。
自己愛性人格障害の承認欲求と依存心は、強引な勧誘活動にも関係しています。
「勧誘ノルマを達成することで認められたい」という承認欲求と、「勧誘ノルマを達成できないと見捨てられるのではないか」という不安から、強引な勧誘をしてしまうのです。
また、自己中心性の高さから、強引な勧誘を受けた人のストレスや迷惑を考えることもできません。
そのため、自己愛性人格障害者は、強引な勧誘を平気でする宗教信者になりやすいのです。
子供に宗教を押しつける
カルト宗教は、信者の子供を利用することが多いです。
宗教信者の親に入信させられた子供のことを、宗教2世や2世信者といいます(祖父母の代からだと宗教3世)。
信者に子供が生まれたらすぐに入信させる、信者の子供に勧誘活動を手伝わせる、子供に罰を与える教義があるといったケースが確認されており、「2世問題」と呼ばれています。
2世信者は、自分の意志で入信した訳ではないため、信仰心を一度も持ったことがない人も多くいます。
信仰心のない2世信者にとって、親から信仰や活動を強制させることは精神的な苦痛であり、「宗教虐待」と言うべきものです。
そのため、カルト宗教をしている親は、毒親であることが多いです。
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カルト信者の親は、親の宗教に子供を入信させるのは当然だと考えています。
しかし、これは憲法の「信教の自由」を侵害するもので、明らかに間違った考え方です。
親の宗教を子供に無理矢理押しつけるのは、権利侵害であると同時に、心理的虐待となります。
子供に勧誘活動をさせる、嫌がる子供にお祈りをさせる、学校行事に参加させない、子供の進路を無視して宗教が運営する学校・大学に入れる、特定の政党に投票するよう強制されるといったことが例としてあげられます。
子供が大人になっても、結婚に干渉し、同じ宗教の信者と結婚させようとしたり、結婚相手や孫を入信させるよう要求したりするといったことがあります。
自己愛性人格障害者は、子供より、自身の承認欲求や依存心を優先させます。
信者の親にとって、自分の子供を入信させるのは、信者を増やすノルマのポイントを稼ぐことになります。
自分の子供だけ入信していなかったら、宗教関係者から悪い目で見られるかもしれないという不安も、子供を入信させる動機になります。
また、自己中心性の高い自己愛性人格障害者は、自分の子供の気持ちさえ考えることができないのです。
そのため、自己愛性人格障害者は、子供に宗教を押しつけて苦しめる毒親となりやすいのです。
まとめ
カルト宗教と自己愛性人格障害について解説しました。
自己愛性人格障害の症状である自己中心性、承認欲求、依存心は、熱狂的なカルト信者となる原因となります。
カルト宗教は、ギャンブル依存症のように、家族を滅茶苦茶にしてしまうため、重大な社会問題です。
信者となるかどうかは本人の自己責任だと言う人もいますが、本人だけに止まらず、その家族まで人生が狂わされてしまうのです。
日本は、宗教法人は非課税で優遇されており、宗教法人に対する指導・監督もないため、悪質なカルト宗教のやりたい放題です。
日本にも、フランスの反セクト法(2001年制定)のような、カルト宗教による悪質な活動を規制する法律が必要ではないでしょうか。
あなたの周りに、カルト信者はいませんか?
カルト信者の中には、一見すると常識的に見える人も一定数います。
しかし、カルト信者で、排他的な価値観を持たない人はいません。
カルト信者は、信者でない人のことを内心では、宗教の無理解者だと認識しています。
過激なカルト宗教では、「無理解者=敵」なのです。
また、カルト信者は、勧誘ノルマをこなすことに必死であり、常に信者にできそうな人はいないか狙っています。
知り合いが大病を患った、身内を亡くしたといった不幸を聞きつけると、勧誘の絶好のチャンスだと喜んで飛んできます。
つまり、カルト信者ほど、人の不幸を望んでいる人はいないのです。
カルト信者は、自分の得や幸福しか考えていないので、絶対信用してはいけません。