カルト(新興宗教)にハマる人の特徴・自己愛性人格障害(NPD)
カルト(新興宗教)には、必ず熱狂的な信者がいます。
カルト宗教にハマる人の特徴として、依存心、原理主義、上昇志向があげられます。
そして、これらの根本的な原因として、自己愛性人格障害(NPD:自己愛性パーソナリティ障害)という病気が潜んでいる可能性が高いです。
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カルト宗教の熱狂的な信者は、強引な勧誘活動をする、多額の寄付をして家が破産してしまうといったトラブルを起こすため、社会問題となっています。
同じ宗教でも、活動も寄付額も常識的なマイルド信者と、身内や他者に迷惑をかける熱狂信者に分かれます。
マイルド信者と熱狂信者の違いは何なのでしょうか?
マイルド信者の多くは、親戚などの知人の勧誘により付き合いで入信した信者や、2世信者・3世信者です。
2世信者は、親がカルト宗教信者で、生まれた時点で自動的に信者された人のことです。3世信者は、祖父母の代からの信者です。
マイルド信者は、自分の意志で入信した訳ではないので、活動にも寄付にも積極的ではなく、人に迷惑をかけることはありません。
一方で、自らの意志で入信した信者の中には、宗教に洗脳され、のめり込んでしまう人がいます。
カルト宗教に傾倒しやすい代表的な病気に、自己愛性人格障害(NPD)があげられます。
自己愛性人格障害は、自己中心性、特別意識、共感力欠如を特徴とする病気です。
思い込みが強く、自分の判断や行動、信じているものは絶対正しいという考え方をする傾向があります。
そのため、自己愛性人格障害は、カルト宗教の熱狂的な信者になりやすいのです。
熱狂的なカルト宗教信者は、依存タイプ、原理主義タイプ、上昇志向タイプの3つに分類できます。
タイプによって、宗教に入る目的や行動パターン、宗教を止めさせる効果的な方法が異なります。
【目次・カルト宗教信者のタイプ】
信者の中には、複数のタイプの特徴を併せ持つ人もいます。
それぞれのタイプについて、解説していきたいと思います。
依存タイプ
依存タイプの信者は、自身の不安や悩みを解消するために、宗教にすがるタイプです。
このタイプは、他力本願で、努力や頭を使うことで問題を解決するのが苦手な人に多いです。
そのため、寄付をたくさんしたり、高額アイテムを購入したりすることで、救われようとするのです。
また、寄付を止めたら不幸になるかもしれないという不安感から、寄付を止めることができなくなります。
際限なく寄付を続けた結果、破産するケースや、親戚や成人した子供に無心するケースが起きています。
自分を救ってもらうことしか頭にないため、小難しい教義や勧誘活動には、あまり興味がありません。
自己愛性人格障害の症状の一つに、依存心の強さがあります。
自己愛性人格障害の原因は、甘やかされて育つことです。
甘やかす子育てには、何か問題があると親が先回りして解決し、子供が自己解決することを促さないパターンがあります。
このような環境で育つと、大人になっても、親のように自分を守り、助けてくれる存在を求めるようになります。
これが、自己愛性人格障害の依存心です。
そのため、自己愛性人格障害者は、依存タイプの信者になりやすいのです。
このタイプに宗教を止めさせるには、別の依存先を用意することが効果的です。
自己愛性人格障害は治らない病気なので、依存心の強さを直すことは難しいのです。
その人の不安や悩みについて相談できるカウンセラーなどを紹介するのが、最も正統派な方法でしょう。
しかし、依存タイプの信者は、常識的な助言よりも、霊的で特別な存在に救いを求める傾向があります。
そのため、カルト宗教ではない、古典的な仏教やキリスト教を勧めるのも、一つの手です。
お寺の法話会や、教会の日曜礼拝に誘うのが、ハードルが低いでしょう。
古典的な宗教は、信者に多額の寄付を求めることはないため、安心できる存在です。
原理主義タイプ
原理主義タイプの信者は、宗教指導者や教義に心酔しているタイプです。
このタイプは、思考力が低いのに、自分は優等生だと自信を持っている人に多いです。
自分が信じる宗教だけが100%正しいと考え、宗教に従順であり、活動にも熱心に取り組みます。
その一方、宗教を信じない人に対して排他的であり、宗教を信者以外に押しつけるモラハラをするケースが起きています。
自己愛性人格障害の症状の一つに、原理主義的思考があります。
自己愛性人格障害の原因は、甘やかされて育つことです。
甘やかす子育てには、親の言うことにただ従うことを子供に求め、自分で考えることを促さないパターンがあります。
このような環境で育つと、大人になっても、誰かが作った人生のマニュアルを求めるようになります。
これが、自己愛性人格障害の原理主義です。
そのため、自己愛性人格障害者は、原理主義タイプの信者になりやすいのです。
このタイプに宗教を止めさせるには、カルト宗教の教義や指導者の矛盾に気づかせることが効果的です。
また、正当な哲学書や、古典宗教の経典を勧め、興味の対象をそちらに移すことも有効でしょう。
上昇志向タイプ
上昇志向タイプの信者は、宗教団体内で昇進することに熱心なタイプです。
このタイプは、承認欲求が強いのに、仕事や家庭での立場に不満を抱いている人に多いです。
仕事や家庭で上手くいっていない分、宗教コミュニティで地位を築くことに生きがいを感じているのです。
カルト宗教の多くは、信者に階級をつけるピラミッド構造となっています。
勧誘活動で成果を上げる、イベントの運営を熱心に行う、教義の理解度を測るテストで合格するといったことで、信者の階級が上がる仕組みになっています。
カルトの宗教団体は、信者を増やすことを重視するため、勧誘活動の成果が一番ポイントが高いです。
そのため、昇進するために、勧誘活動に熱中するのです。
ノルマ達成のために、強引な勧誘活動をするケースや、下の信者に高額寄付を要求して搾取するケースが起きています。
自身の昇進にしか興味がないため、教義の理解は表面的であり、寄付も計画的に行います。
自己愛性人格障害の症状の一つに、承認欲求の強さがあります。
自己愛性人格障害の原因は、甘やかされて育つことです。
甘やかす子育てには、子供の目標を全て親が決め、子供の自主性を促さないパターンがあります。
このような環境で育つと、子供は親に与えられた目標を達成し、親から褒められることだけを考えるようになります。
そして、大人になっても、誰かから与えられた目標を達成し、それによって褒められることを求めるようになるのです。
これが、自己愛性人格障害の承認欲求です。
そのため、自己愛性人格障害者は、上昇志向タイプの信者になりやすいのです。
このタイプに宗教を止めさせるには、承認欲求を満たせる他の活動を勧めることが効果的です。
趣味のサークルや地域活動などで、役割が与えられ頼りにされると、承認欲求を満たすことができます。
ただ、そのようなサークルの中で、宗教の勧誘活動をしてしまうリスクがあります。
勧誘活動をしないよう見張りつつ、宗教活動以外に熱中できるものに気づかせることが大事です。
まとめ
カルトの宗教信者のタイプと、宗教から引き離す方法について解説しました。
もし、カルト宗教に入った知人を助けたいと思うなら、知人がどのタイプか理解することが重要です。
信者となった期間が長くなるほど、宗教から引き離すことが難しくなるため、できるだけ早くから説得した方がいいでしょう。
2世信者、3世信者だと、親との関係性に悩んでいる人も多いでしょう。
カルト宗教の信者は、元々思い込みが強いため、「子供より自分の方が正しい」という思い込みをしています。
宗教について親と話し合っても平行線を辿るだけなので、親は親、自分は自分と割り切るのが正しいです。
親の宗教観に従わないことに対して、罪悪感を抱く必要はありません。
寄付のためのお金を無心されるなどの迷惑行為があれば、完全に縁を切り、自分の人生を生きましょう。