学歴至上主義とは?自己愛性人格障害の特徴
学歴至上主義とは、学歴を重視し、大学の偏差値などで人に優劣をつける価値観です。
学歴が下の人をバカにする、学歴が上の人を妬むといった行動につながります。
自分の学歴に劣等感を抱く学歴コンプレックスも、学歴至上主義に含まれます。
学歴至上主義の社会のことを「学歴社会」といい、企業が学歴で新卒を選別することは「学歴フィルター」と呼ばれます。
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学歴を重視する学歴至上主義は、今もまだ社会に根付いています。
誰でも多かれ少なかれ、学歴を意識するのもですが、学歴にこだわり過ぎる人は普通ではないでしょう。
例えば、東大理Ⅲへの異常な執着から、成績不振で自暴自棄になった高校生が、刃物で無差別に人を切りつける事件が発生しました。
犯行の場所に東大を選び、大学入試共通テストの受験生を狙ったことからも、強い執着心を伺えます。
また、スマホで共通テストの問題を撮影し、学習サイトを通じて大学生に解かせるという巧妙なカンニングを行おうとした仮面浪人生もいます。
なぜ、このように学歴に異常に執着する人がいるのでしょうか?
学歴に執着する人は、自己愛性人格障害(NPD)という病気の可能性が高いです。
自己愛性人格障害は、承認欲求や特別願望、共感力欠如を特徴とする病気です。
承認欲求や特別願望から、人に自慢できる一流大学の学歴を欲しがるのです。
また、共感力や想像力の欠如から、拡大自殺やカンニングに対して罪悪感を持ちません。
【目次・学歴に執着する人たち】
それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。
学歴至上主義の子供
自己愛性人格障害は、承認欲求や、特別な自分になりたいという願望が強いのが特徴です。
自己愛性人格障害は、学歴でマウントをとりたいという考え方をするため、学歴至上主義と親和性が高いのです。
そのため、人に自慢するため、学歴でバカにされないために、一流大学に入ろうとします。
医者になりたいからではなく、日本トップの学歴ほしさで東大理Ⅲでないとダメだと考える人までいます。
自己愛性人格障害者が志望校に落ちると、学歴コンプレックスを拗らせたり、自暴自棄になったりします。
また、志望校を諦められず、多浪や仮面浪人するケースもあります。
努力で一流大学に入る自己愛性人格障害者がいる一方、努力嫌いで一流大学に入れない自己愛性人格障害者もいます。
そこで、努力嫌いの自己愛性人格障害者は、受験勉強がいらないAO入試で一流の私立大学に入ろうとします。
また、学部の入試よりハードルが低い修士課程から一流大学に入る学歴ロンダリングを行う人も多いです。
努力嫌いの自己愛性人格障害者は、一流大卒という肩書さえ手に入れば満足なのです。
最終学歴だけでなく、入試方式や学歴の過程をチェックすることが重要です。
このように、学歴至上主義の子供は、承認欲求と特別願望に取り憑かれた自己愛性人格障害なのです。
学歴至上主義の親
学歴至上主義の自己愛性人格障害は、親にも多いです。
子供4人を東大理Ⅲに入れた母親が持てはやされ、育児本が売れ、セミナーも人気です。
世間的にも、教育熱心な親は、良い親だと認識されやすいです。
しかし、「教育熱心」ではなく「教育熱狂」だと、一方的に子供に高い目標を押し付ける「教育虐待」をする毒親となってしまいます。
子供の中学受験に熱狂するあまり、父親が小学生の息子を刺殺するというショッキングな事件も起こっています。
この父親は、進学校に入学しながらも、成績優秀者の中で挫折し、学歴コンプレックスを拗らせた人物でした。
自己愛性人格障害は、愛情や思いやりの欠如から、教育虐待に対して罪悪感を持たないのです。
学歴至上主義の親には、自身が高学歴のパターンも、低学歴なパターンもあります。
高学歴の毒親は、子供の学歴が低いのは恥だと考え、自分と同等の学歴や進路を子供に強制します。
子供の学業成績が少しでも悪い、下がったと感じると、「何でお前は出来が悪いんだ」と厳しく責め立てたり、見放したりします。
低学歴の毒親は、子供を高学歴にすることで、自身の学歴コンプレックスを解消しようとします。
自身が難関大のハードな受験勉強を経験していないため、難関大受験の苦労を理解できず、適切なアドバイスもできません。
子供の成績に一喜一憂し、勝手に舞い上がったり、キレたりして、感情的な振る舞いをします。
低学歴の毒親は、平均点や偏差値の意味すら正しく理解できておらず、子供に頓珍漢な要求をしたり、無謀な進路を押し付けたりします。
教育虐待を受けて育った人は、学歴で成功しても、対人恐怖症やコミュニケーション障害を発症して、就業で損をする可能性があります。
このように、学歴至上主義の親は、承認欲求や世間体のために子供を利用する自己愛性人格障害なのです。
学歴至上主義の進学校
偏差値の高い進学校の中には、伝統的に学歴至上主義のところがいくつかあります。
いまだに、テストの成績を貼り出し、生徒の競争心や序列意識を刺激するような学校があるのです。
このような学校は、自己愛性人格障害の子供を生み出す土壌となります。
学校で成績や進路でマウントを取ることを覚え、社会に出てからも学歴や肩書でマウントを取る人間に育ってしまうのです。
そもそも、偏差値の高い進学校は、上昇志向の自己愛性人格障害の子供や親が集まりやすいです。
自己愛性人格障害の子供が集まりやすい学校で、自己愛性人格障害を悪化させるような教育を行うというのは、とてもリスクの高いことです。
学歴至上主義の進学校に入学させるのは、子供の情緒やメンタルに悪影響を与えてしまうのです。
このように、学歴至上主義の進学校は、自己愛性人格障害製造装置なのです。
まとめ
学歴至上主義と自己愛性人格障害の関係について解説しました。
自己愛性人格障害は、承認欲求や特別願望のため、高学歴になりたい、自分の子供を高学歴にしたいと考える傾向があります。
自己愛性人格障害は、自己中心性が高いため、「世のため人のため」の価値観はなく、自分のことしか考えられません。
また、共感力や想像力の欠如も特徴で、パワハラや不正に対する罪悪感も持ちません。
あなたの周りに、学歴至上主義の人はいませんか?
学歴至上主義者は、学歴が下の人をバカにする、学歴が上の人に嫌がらせをするといったイジメ気質です。
学歴の話題が多い人物は、自己愛性人格障害を疑い、警戒するといいでしょう。
また、自分の子供が、学歴至上主義の同級生や先生などから影響を受けていないか、注意した方がいいでしょう。