優生思想を持つ人の特徴・自己愛性人格障害
優生思想とは、悪い遺伝子を淘汰し、優れた遺伝子だけを残すべきであるという思想です。ナチスの思想が有名です。
広義の優生思想は、劣っているとみなした人の人権を否定し、優れているとみなした人の人権だけを認める価値観です。
優生思想を持つ人には、自分は優れている側だという特別意識があり、他者を見下し優越感に浸っているのです。
優生思想を持つ人は、自己愛性人格障害(NPD:自己愛性パーソナリティ障害)という病気である可能性が高いです。
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最近、優生思想に基づいた発信をして物議を醸す有名人が目に付くようになっています。
例えば、ミュージシャンや人気YouTuberのような、特別な職業の人によく見られます。
自分が見下した対象を「生きる価値がない」などと発言する危険人物が増えているのです。
なぜ、このような発信をする人物が増えているのでしょうか?
その理由は、自己愛性人格障害者が増えているからだと考えられます。
自己愛性人格障害は、自分に特別意識を持つ病気なので、優生思想と親和性が高いのです。
自己愛性人格障害の優生思想は、センス、努力、カテゴリーに基づいています。
【目次・自己愛性人格障害の優生思想】
優生思想を好む自己愛性人格障害には、カリスマ型、努力型、差別型があります。
これらに共通するのは、歪んだ特別意識です。
誰かを見下し、価値を否定することで、歪んだ特別意識を満足させているのです。
それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。
センスのない人は価値がない
カリスマ型の自己愛性人格障害は、センスの有無に基づく優生思想を好みます。
このタイプは、アーティストやミュージシャンなどのクリエイティブ系の職業に多いです。
表現の追求のためでなく、「特別な自分」になるために、クリエイティブ系の職業になりたがるのです。
かのナチス・ドイツの指導者、アドルフ・ヒトラーも、若い頃は画家を目指し、挫折しています。
カリスマ型の自己愛性人格障害は、特別な人としてチヤホヤされたいという承認欲求が行動原理です。
センスがある人は特別、それ以外は凡人という考え方をします。
しかし、自己愛性人格障害者は、基本的に感性が低俗です。
自己愛性人格障害者の作品は、表面的なカッコよさだけで、芸術性が低いのです。
そのため、自己愛性人格障害者は、アーティストとして二流以下であることが多いです。
一流ではないコンプレックスがあるからこそ、優生思想でプライドを保とうとするのです。
このように、カリスマ型の自己愛性人格障害は、センスのない凡人の価値を認めないのです。
努力の足りない人は価値がない
努力型の自己愛性人格障害は、努力の多寡に基づく優生思想を好みます。
このタイプは、たくさん努力をしてきた自分は偉いという価値観を持ちます。
上手くいっていない人、失敗した人は努力が足りないせいだと、蔑む傾向があります。
自己責任論で相手を責めるのも、努力型の自己愛性人格障害の特徴です。
パワハラ加害者も、努力型の自己愛性人格障害であることが多いです。
努力型の自己愛性人格障害は、承認欲求やステータスのために努力をします。
学歴が良い、有名企業に勤める、昇進する、収入が多いなどの目標しか持ちません。
そのため、職業人としてのポリシーを持たず、底が浅いことが多いです。
スペックはそれなりに高いものの、仕事を極めるまでの努力はしません。
職業人としての頂点を目指すのではなく、自分より下の人をバカにすることで満足しようとします。
自分は偉いという気持ちに浸るために、優生思想に染まるのです。
このように、努力型の自己愛性人格障害は、努力が足りないと決めつけ、人を見下すのです。
特定のカテゴリーの人は価値がない
差別型の自己愛性人格障害は、人種や性別といった属性に基づく優生思想を好みます。
人種差別や女性差別、障碍者差別、LGBT差別などが分かりやすい例です。
自分と異なる属性の人を蔑視することで、自分を優位な存在だと思いたいのです。
差別というと身近な感じがしますが、根底にあるのは優生思想です。
精神的に健全な人は、そもそも差別などしないのです。
差別型の自己愛性人格障害は、カリスマ型や努力型と異なり、特別な取柄を持ちません。
センスはないし努力もしたくない、でも特別側の人として誰かを見下したい。
そのため、センスも努力も関係ない、生まれに基づく差別をするしかないのです。
根本的に自分に甘い性格をしているため、自分に都合の良い優生思想に縋るのです。
歪んだ特別意識を持つ身勝手な性格ですが、成功者でないこのタイプは一番数が多いです。
このように、差別型の自己愛性人格障害は、差別をすることで見下す側に回りたいのです。
まとめ
自己愛性人格障害が優生思想を好むことについて解説しました。
カリスマ型、努力型、差別型の自己愛性人格障害は、特定の人々を蔑視することで、自身の特別意識を満足させているのです。
彼らは、特別意識モンスターと言っていいでしょう。
センスがあろうが、努力していようが、人命の価値を否定する理由にはなりません。
人命の価値を否定するなど、思い上がりも甚だしいです。
あなたの周りに、優生思想を仄めかす人はいませんか?
特別意識を拗らせた自己愛性人格障害による優生思想を許してはいけません。
優生思想は、歴史上、多くの人々の権利を侵害し、命を奪うことにもつながりました。
優生思想は、危険思想という認識を共有することが大事です。
みんなで自己愛性人格障害者の暴走を牽制しましょう!