繊細さん(HSP)とは?自己愛性人格障害との違い

HSP(Highly Sensitive Person)とは、共感力や感受性が特別高い人のことです。子供の場合は、HSCとも呼ばれます。
繊細な感性を持ち、思いやりのある優しい性格をしているのが特徴です。
HSPは、日本では「繊細さん」と呼ばれることもあります。

最近、有名人の発信などにより、HSPが話題になっています。
HSPという言葉が広まるとともに、「自分はHSP(繊細さん)かもしれない」とアピールする人が現れています。
しかし、自称HSPは、自己愛性人格障害NPD自己愛性パーソナリティ障害)である可能性が高いです。

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自己愛性人格障害は、共感力が極めて低くて自己中心的であり、HSPと真逆の性格をしています。
つまり、本物のHSPは自己愛性人格障害と相性が最悪なのです。
心優しいHSPは、自己中心的な自己愛性人格障害者に利用されたり、傷つけられたりしやすいのです。
本物のHSPと自己愛性人格障害を見分けるのは、とても大事なことです。
見分けるポイントは、自己アピール、思いやり、あざとさです。
自己愛性人格障害者がHSPアピールする理由については、最後に解説します。

【目次・HSPと自己愛性人格障害を見分けるポイント】

HSPと自己愛性人格障害は、真逆の性格、行動パターンをしているので、見分けるのは簡単です。
それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。

HSPアピールするのは、自己愛性人格障害

自己愛性人格障害は、自己アピールが多いのが特徴です。
自己愛性人格障害は、目立ちたがり屋で、 “特別な自分アピール“が大好きです。
「自分はHSPかもしれない」、「病院でHSPの診断を受けた」などと、周囲にアピールします。
日頃から、自己主張や要求が多い性格なのです。

HSPは、控えめで謙虚な性格が特徴です。
HSPは、自分が目立つことに興味はなく、むしろ注目されるのが苦手です。
「自分はHSPだ」と自分から言うことはありません。
病院でHSP診断を受けたとしても、必要な時に、近しい友人にだけ打ち明けます。
そもそも、本物のHSPは、アピールなどしなくても、「あの人は繊細だよね」と認識されているものです。

自己愛性人格障害は自己アピール好き、HSPは控えめな性格と覚えておけば、分かりやすいでしょう。

思いやりがないのは、自己愛性人格障害

自己愛性人格障害は、共感力が低く、自己中心的なのが特徴です。
自己愛性人格障害は、自分のことしか考えられないので、空気が読めないタイプです。
人の気持ちや都合を無視した言動をしがちなので、嫌われやすいです。
自分の行いによって周囲に距離を置かれると、いじめられたと被害者ぶることが多いです。

HSPは、共感力が高く、人に対する思いやりがあるのが特徴です。
人の気持ちや立場を想像する優しさがあります。
HSPは、人のために気遣いをし過ぎたり、空気を読み過ぎたりして、疲れてしまうタイプです。
周囲に恵まれると、心優しいHSPは愛されて、大事にしてもらえると思います。

自己愛性人格障害は利己的、HSPは利他的と覚えておけば、分かりやすいでしょう。

目上や異性にだけ気を遣うのは、自己愛性人格障害

自己愛性人格障害は、相手によって露骨に態度を変えるのが特徴です。
例えば、目上に対しては媚びを売り、目下に対しては強気な態度をとります。
また、異性にあからさまに色目を使い、同性には冷淡だったり、平気で裏切ったりします。
自己愛性人格障害は、あざとい性格をしているのです。
そのため、自己愛性人格障害は、目下や同性から嫌われていることが多いです。

HSPは、平等志向で、誰に対しても気遣いをするのが特徴です。
立場の上下に囚われず、分け隔てなく接するよう努める性格なのです。
そのため、HSPは、誰からも慕われることが多いです。
ただ、HSPは攻撃的な人を怖いと感じやすいので、攻撃的な人とは距離を取る傾向があります。

自己愛性人格障害はあざとい、HSPは平等志向と覚えておけば、分かりやすいでしょう。

まとめ

HSPと自己愛性人格障害の違いについて解説しました。
ところで、なぜ、自己愛性人格障害者は、HSPアピールをするのでしょうか?
それは、自己顕示欲と自己正当化のためです。
自己愛性人格障害は、ネガティブでカッコ良くない病気なので、積極的にアピールしたくなるものではありません。
それに対し、HSPは“感受性が高い”という特別感があります。
自己愛性人格障害は、“特別な自分”を求める病気なので、自分を飾るためにHSPアピールをするのです。
また、自己愛性人格障害は、人に厳しく自分に甘い、という特徴があります。
人から厳しい言葉を受けることが何より嫌で我慢できない性格を、HSPだと正当化しているのです。
HSPだから厳しい言葉を言わないでほしいという、自己都合の要求でもあります。

自己愛性人格障害者が、病院でHSPの診断をとっているケースもあります。
日本の病院でHSPの診断を受けていても信用できません。
日本の心療内科は遅れており、HSP診断を求める患者が自己愛性人格障害であることを疑いません。
HSP診断を求められたら、HSP診断用の問診だけをして終わりです。
そのため、自己愛性人格障害者がHSPの診断を手に入れてしまうことがあるのです。

自己アピールや診断は当てになりません。
HSPと自己愛性人格障害を自分で見分けることが大事です。
HSPと自己愛性人格障害の大きな違いは、自己アピール、思いやり、あざとさです。
いずれも、日頃の行いのなので、自己愛性人格障害者もごまかしが効きにくいです。
自称HSP(繊細さん)が、優しい性格でなければ、自己愛性人格障害を疑うといいでしょう。