無能な働き者とは?自己愛性人格障害の特徴

無能な働き者とは、ゼークトの組織論において、組織に入れてはいけないとされる者です。
無能な働き者の特徴には、承認欲求が高い、思い込みが激しい、独断行動をとる、などがあります。
やる気のある無能は、組織のためでなく、自己アピールや自己満足のために行動するため、周囲の足を引っ張ることになるのです。
無能な働き者は、自己愛性人格障害NPD自己愛性パーソナリティ障害)のことだと考えられます。

[ゼークトの組織論]
・有能な働き者は、参謀に向いている。(判断力に優れ、実務を適切に執り行うことができる。)
・有能な怠け者は、指揮官に向いている。(判断力に優れ、人に適切な指示を出すことができる。)
・無能な怠け者は、兵隊に向いている。(判断力が低いが、指示をそのまま実行することができる。)
・無能な働き者は、組織に入れてはいけない。(判断力が低い上、独断で余計な行動をとる。)

日本は勤労を美徳とする文化なので、無能な働き者が、無能な怠け者より下位に位置付けられていることに納得できない人がいるかもしれません。
これは、能力もやる気も低い人は、言われた最低限のことしかしないものの、余計なことはしないということです。
それに対し、能力が低いのにやる気が高い人は、良かれと思って、組織の足を引っ張ってしまうリスクがあるという意味です。
例えば、災害や戦争といった緊急事態に、何の役にも立たない千羽鶴を送る人は、無能な働き者といっていいでしょう。

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無能な働き者のポイントは、自分を良く見せるため、思い込みによって、独断行動をとることです。
これは、自己愛性人格障害の特徴とよく似ているのです。

【目次・無能な働き者の特徴】

それぞれのポイントについて、解説していきたいと思います。

承認欲求が大きい

自己愛性人格障害は、承認欲求が大きい傾向があります。
自己愛性人格障害者は、常に自分が人からどう見られているかを気にし、良い人や優れた人に見られたがります。
そのため、職場で「働き者」として評価されることを求めることが多いのです。
もちろん、仕事の能力と判断力が優れていれば、問題にはなりません。
しかし、能力が低いのに、「働き者」という特別な評価が欲しいとなると、面倒なことになります。
仕事やった感を得るために無駄な業務を増やしてしまうのは、典型例です。

無能な働き者は、会社や事業のために行動するのではなく、自分が働き者だと評価されるために行動します。
自分が評価されることしか頭にないため、職場が求める行動との間にズレが生じてしまいます。
例えば、身の丈に合わない仕事をやりたがる、「会社が自分を評価していない」と不満を持つといったことになるのです。
自己アピールだけで済めばまだいいですが、会社や事業にダメージを与える可能性もあります。
例えば、自分の成果を作るために余計な提案をして、成功している製品やサービス、作品を改悪するということがあるでしょう。

このように、無能な働き者は、純粋な働き者ではなく、自分を「働き者」に見せたい人なのです。

思い込みが激しい

自己愛性人格障害は、思い込みが多い傾向があります。
自己愛性人格障害者は、客観性や論理性が低く、視野も狭いという特徴があります。
浅く狭い知識と薄弱な思考力が、「根拠のない思い込み」を生み、これに固執してしまうのです。
そして、根拠のない思い込みに過剰な自信を持つことで、思い込みベースで行動したり、思い込みを人に押し付けたりします。

無能な働き者の「無能さ」とは、客観的な分析ではなく、主観的な思い込みで判断するということです。
無能な怠け者は言われた通りに仕事をしますが、無能な働き者は思い込みに基づいて自己流のやり方をするから厄介なのです。
また、上司の指示や仕事の位置づけを曲解するということもあります。
自身の思い込みや行動に過剰な自信を持ち、自分の非を認めないというのも大きな問題です。
反省することなく、同じ間違いやNGを繰り返してしまうのです。

このように、無能な働き者は、謙虚に勉強せず、根拠のない思い込みで仕事をする人なのです。

独断行動をとる

自己愛性人格障害は、独断行動をとる傾向があります。
自己愛性人格障害は、独特な自己中心性と特別意識を持つ病気です。
無意識的に「自分は特別な存在だ」、「自分は人から指示を受ける側ではない」と考えているのです。
そのため、周囲との協調よりも、個人的なこだわりやマイルールを優先してしまうことになります。
上司の許可を取ることは、社会人の常識です。
しかし、自己愛性人格障害者は、社会常識を軽く考え、自己判断に固執してしまうのです。
また、成果を独り占めして評価されたいというのも、独断行動をとる理由になります。

無能な働き者の一番の問題点は、独断で行動をとることです。
判断力が低かったとしても、上司の判断が入れば、問題ある行動を防ぐことができます。
その独断行動が的を得たものだったとしても、何も聞かされていない上司にとっては、計画や目算が狂う可能性があり、迷惑なのです。
独断行動は、上司目線ではある種のテロといっても過言ではありません。

このように、無能な働き者は、組織の常識を軽視し、上司の立場を理解できない人なのです。

まとめ

無能な働き者と自己愛性人格障害の特徴について解説しました。
自分を良く見せるため、思い込みによって、独断行動をとる、の三拍子揃ったら、無能な働き者タイプです。
無能な働き者は、職場だけの存在ではありません。
家庭や近所付き合いなどで、ありがた迷惑や余計なお世話が多い人も、無能な働き者タイプです。

あなたの周りに無能な働き者はいませんか?
無能な働き者は、本人は自覚がないため、直る見込みは薄いでしょう。
会社から評価されていないと感じると、自分から会社を辞めることがあるので、それを期待するしかありません。
無能な働き者タイプは、重要な部署に置かない、重要なポジションに就けないことが大事です。