モラハラとは?自己愛性人格障害の特徴

モラハラ(モラルハラスメント)とは、家庭や職場、学校、SNSなどで、自分の考えや価値観を一方的に他者に押しつける行為です。
マイルールを押しつける、人格否定をする、正論で詰める、といったコミュニケーションが該当します。
モラハラは、子供への心理的虐待や、パートナーへの精神的DVとなります。
また、学校の理不尽なブラック校則や、部活での精神論的な指導も、生徒へのモラハラといえるでしょう。
モラハラをする人には、自己中心性、特別意識、共感力欠如の特徴が見られます。
そのため、モラハラ加害者は、自己愛性人格障害NPD自己愛性パーソナリティ障害)という病気の可能性が高いです。
モラハラは、コミュニケーションが下手なのではなく、れっきとした病気なのです。

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モラハラは、荒々しいパワハラと異なり、暴力や暴言が伴わないため、周囲に分かりにくいものです。
モラハラでは、「死ね」、「バカ」のような直接的な暴言ではなく、「君みたいな人はいない方がいいんじゃない?」、「こんなことも分からないの?」といった遠回りの嫌味が使われることが多いです。
これは、モラハラ気質の人の多くが、世間体を気にするタイプだからです。
外面を良くする、言質を取られないようにするといった保身のため、直接的な暴言を控えているのです。
そのため、近所や職場で良い人だと思われている人が家庭でモラハラをしている、上司から評価の高い人が部下にモラハラをしているというパターンがよくあります。
つまり、モラハラは、臆病で卑怯なパワハラといえるでしょう。
また、SNSなどのネット上でモラハラをする人は、「正義マン」と呼ばれます。

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なぜ、モラハラをする人がいるのでしょうか?
モラハラ加害者は、自己愛性人格障害(NPD)という病気である可能性が高いです。
自己愛性人格障害とは、自己中心性、特別意識、共感力欠如を特徴とする病気です。
自己中心性、特別意識、共感力欠如によるコミュニケーションの歪みが、モラハラの原因となります。

【目次・モラハラ気質の特徴】

それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。

相手より自分が優位だと思っている

モラハラ気質の人は、相手より優位に立ちたがる、という特徴があります。
対等な関係性を築くことに興味がなく、自分より下の存在を求めているのです。
このような人は、会社のような上下関係がはっきりした組織を好みます。
トップダウンの会社では、上司から部下へと一方向に指示が行われます。
このような一方通行のコミュニケーションしかできない人は、家庭内でも同じ話し方をしてしまいます。
自分を上司、子供やパートナーを部下とみなしたコミュニケーションをとろうとするのです。

モラハラは、単なる心のすれ違いや、コミュニケーションのズレではありません。
いくらコミュニケーションの感覚がズレている人でも、目上の人に対してモラハラをしたりしません。
モラハラは必ず、反論できない立場の人や、反論が苦手な人が、ターゲットとなります。
モラハラの本質は言葉ではなく、相手を見下す心なのです。

自己愛性人格障害の症状に、特別意識の強さがあげられます。
特別意識が強いと、常に人をランク付けし、人によって態度を変える人間性になります。
自己愛性人格障害者は、上か下でしか人を見ることができず、勝ち負けばかり考えています。
自論で相手を言い負かして論破することや、相手を自分に従わせることに執着します。
このように、コミュニケーションでマウントを取ろうとする性格が、モラハラの元となるのです。

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相手が自分の思い通りならないと気が済まない

モラハラ気質の人は、自分の思い通りにならないと気が済まない、という特徴があります。
自分の考えや価値観、好みに対する執着が強く、相手がそれに従わないと、強い不満を感じます。
相手の言動が自分のイメージと少し違うだけで、相手を責めたり怒ったりする、クレーマー気質です。
自分と価値観が違う人には人格否定をする、期待した成果を出せなかった人には努力不足だと責めるなど、攻撃的なコミュニケーションを取ります。
日頃から、些細なことで不満を募らせ、イライラしていることが多いです。
モラハラをする人は、正論や根性論で人を責めるため、ストイックな人物だと思うかもしれません。
しかし、モラハラ加害者の多くは、人に厳しく自分に甘いタイプです。
自分のことは棚に上げ、人ばかり責める他罰的な人物なのです。

自己愛性人格障害の症状に、自己中心性の高さがあげられます。
自己中心性が高いと、自分は絶対正しい、自分の思い通りにならないのはおかしい、と考える横暴な人間性になります。
イエスマンだけを求め、自分の思い通りにならない人や、自分好みでない人を嫌っていじめることが多いです。
幼稚な自分の性格を自覚できない、裸の王様です。
このように、自分の思い通りにならない人を攻撃する性格が、モラハラの元となるのです。

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相手の気持ちが想像できない

モラハラ気質の人は、人の気持ちに無関心で配慮ができない、という特徴があります。
相手の考えや価値観、好みに興味がなく、相手のために気遣いをすることはありません。
日頃から、相手の話を碌に聞かず、態度や体調などもよく見ていません。
自分のことにしか興味がなく、自分の話ばかりしていることが多いです。
そのため、言葉のキャッチボールができない人は、モラハラ予備軍だと思っておくといいでしょう。

自己愛性人格障害の症状に、共感力の欠如があげられます。
共感力とは、相手の気持ちを想像して配慮する能力のことです。
共感力が欠如すると、思いやりや気遣いのないドライな人間性となります。
自己愛性人格障害者は、人を励ましたり、応援したり、褒めたり、フォローしたりすることはありません。
その一方で、相手を傷つけたり嫌な思いをさせたりするデリカシーのない発言を平気でします。
相手が怒ると、「思ったことをそのまま言っただけ」、「言論の自由だ」などと開き直ります。
そのため、自己愛性人格障害者は、「心がない人」、「空気が読めない人」と言われることが多いです。
自分のコミュニケーションの何が悪いか分からず、無自覚なのが特徴です。
このように、人の気持ちに無関心な性格が、モラハラの元となるのです。

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まとめ

モラハラと自己愛性人格障害との関係について解説しました。
モラハラをする人は、自己愛性人格障害の可能性が高いです。
自己愛性人格障害の症状である、自己中心性、特別意識、共感力欠如は、モラハラをする原因となるからです。

あなたの周りに、モラハラをする人はいませんか?
現代日本では、モラハラは最も身近なトラブルといえるでしょう。
職場では、上司から部下へのモラハラが問題となっています。家庭では、妻にモラハラをするモラ夫や、夫にモラハラをするモラ妻に悩んでいる人が、たくさんいます。また、子供にモラハラをする親は、毒親と呼ばれています。
日本はもはや、モラハラ大国かもしれません。

自己愛性人格障害は治らない病気なので、モラハラ気質も直りません。
自分にモラハラをする人がいたら、性格が直ることを期待せず、関係を断つのが一番です。
また、コミュニケーションが一方通行の人は、モラハラ予備軍だと思って警戒した方がいいでしょう。
モラハラ予備軍とは近しい関係にならないよう、距離を置くことが予防策となります。