自己愛性人格障害の3タイプ 承認欲求・支配欲・損得勘定

最近、自己愛性人格障害(NPD)についての情報が増えてきています。
自己愛性人格障害者から被害を受けた人達が、次々にネット上に情報をあげているようです。
しかし、サイトによって、説明されている自己愛性人格障害の特徴に少しずつ違いがあります。

なぜ、同じ病気の説明に違いが出るのでしょうか?
それは、自己愛性人格障害には特徴的な症状が複数あり、どの症状が強いかによって、人格に違いがあるからです。
自己愛性人格障害には、共通する特徴として、自己中心性、特別意識、共感力欠如があります。
それに加えて、どの精神病質が強く出るかによって、思考や行動パターンに違いが出るのです。
自己愛性人格障害は、大きく分けて3つのタイプがあります。

自己愛性人格障害には、承認欲求タイプ、支配欲タイプ、損得勘定タイプがあります。

【目次・自己愛性人格障害のタイプ】

いずれのタイプも、自己中心的で、特別意識を持ち、共感力が欠如していることは共通しています。
また、複数の精神病質が表れることで、複数のタイプを併せ持つパターンもあります。
それぞれのタイプについて、解説していきたいと思います。

承認欲求タイプ

承認欲求タイプの自己愛性人格障害者は、承認欲求が特に強いタイプです。
SNSでリア充アピールや、ブランド自慢をしている人が、分かりやすい例です。
ただ目立てばいい、自慢できたらいいという、軽薄な価値観をしています。
女性は容姿やブランドや、男性は学歴や収入でマウントをとろうとする傾向があります。
他の人が自分より目立つのが我慢できなくて、足を引っ張ろうとする陰湿さも持ちます。
精神衛生上良くないので、承認欲求タイプと会話をすることがあっても、手短に済ませるといいでしょう。

承認欲求タイプの自己愛性人格障害者は、親になると、子供を自慢のネタとして利用しようとします。
周りに自慢できるような、容姿の良い子、学歴の良い子、特別なセンスのある子を求めるのです。
子供が自分の望みを叶えないと、容姿否定や人格否定をして、子供のメンタルに悪影響を与えます。
子育てが思い通りにならないと、ネグレクトすることもあり、注意が必要です。

このように、承認欲求タイプの自己愛性人格障害者は、マウントをとることしか頭にない人間性をしています。

支配欲タイプ

支配欲タイプの自己愛性人格障害者は、支配欲が特に強いタイプです。
自分は絶対正しいと考え、自分の考えを一方的に押しつける傲慢な性格をしています。
自分の考えや命令に従うイエスマンのみを求め、反対意見を言う人は遠ざけようとしたり、嫌がらせをしたりします。
支配欲タイプは攻撃性が高いため、刺激しないよう、肯定も協力もしない距離感を保つのがいいでしょう。

支配欲タイプの自己愛性人格障害者は、自分と考えや価値観が違う人に対して、人格否定することが多いです。
また、自分の思い通りにならないと気が済まず、癇癪を起こす傾向もあります。
人格否定や意見の押し付けによるモラハラ、癇癪からの暴力・暴言によるパワハラ、店員や受付に対するカスハラなど、ハラスメント体質です。
仕事で優位に立てない場合は、家庭内でDVをするケースも見られます。

このように、支配欲タイプの自己愛性人格障害者は、自分の思い通りにならないと癇癪を起こす人間性をしています。

損得勘定タイプ

損得勘定タイプの自己愛性人格障害者は、特に計算高いタイプです。
序列意識に敏感で、目上の人に媚びを売って得をするのが得意です。
逆に、利用価値がなく脅威にもならないと見下した相手に対しては、横暴な本性を見せます。
また、損得や保身のために、人を平気で裏切る心無い人格をしています。
人を利用することしかせず、人を助けることはないため、深く関わらないようにするのが賢明でしょう。

損得勘定タイプの自己愛性人格障害者は、お金に対する執着が強い守銭奴気質という特徴もあります。
旅行やブランド品など贅沢をするにも関わらず、ヘンなところでケチる傾向があります。
十分お金持ちなのに、クーポンや特典などで少額でも得をしようとするのが分かりやすい例です。

このように、損得勘定タイプの自己愛性人格者は、自分が得をすることしか考えない人間性をしています。

まとめ

自己愛性人格障害の3つタイプについて解説しました。
承認欲求、支配欲、損得勘定は、自己愛性人格特有の症状です。
どの性質が強く出るかによって、承認欲求タイプ、支配欲タイプ、損得勘定タイプに分類できます。
これらの特徴が見られたら、自己愛性人格障害だと見て間違いありません。
自己愛性人格障害判定のチェックポイントとして利用しましょう。

あなたの周りに、このようなタイプの人はいませんか?
承認欲求タイプ、支配欲タイプ、損得勘定タイプのいずれも、自分のことしか考えない性格をしています。
人を傷つけたり、陥れたりする人格のため、関わってはいけません。
職場やクラスにこれらのタイプがいたら、深入りはせず、浅い関係性を保ちましょう。
もし、これらのタイプに絡まれたら、一人で対処しようとせず、周りを味方に付けるといいでしょう。