パワハラとは?自己愛性人格障害の特徴
パワハラ(パワーハラスメント)とは、職場内の優位性を利用した嫌がらせのことです。
具体的には、部下に対する過度の叱責や暴力、左遷、無視、人格否定的な発言や、仕事のやり方を教えない、雑用ばかり押し付けるといった行為がパワハラに該当します。
クラッシャー上司は、部下を追い詰めて退職に追いやる、新人が定着できない劣悪な職場にするなどの問題を引き起こし、人手不足の大きな原因となっています。
パワハラをする人は、自己愛性人格障害(NPD:自己愛性パーソナリティ障害)という病気の可能性が高いです。
パワハラは元々、職場内のハラスメントを指す言葉でしたが、立場の優位性を利用した嫌がらせは、家庭内や学校、部活などでも起きるもので、これらも広義のパワハラにあたると考えることができます。
関連記事
「パワハラ上司の3タイプ 努力型・差別型・カリスマ型」
「ブラック経営者は自己愛性人格障害」
「人生三大ガチャとは?親ガチャ・上司ガチャ・結婚ガチャ」
パワハラ加害者は、実務能力の高い優秀な人物であるケースもあります。
そのため、パワハラ加害者を「優秀な人だから、同じレベルを部下に求めてしまうだけ」と擁護する人もいます。
しかし、この擁護は、管理職の役割が曖昧な日本ならではの発想と言えるでしょう。
管理職の役割は、職場を適切にマネジメントし、効率化やレベルアップを図ることです。
パワハラ上司は、いわば職場クラッシャーであり、管理職に最も不適な人間性なのです。
なぜ、組織内にパワハラをする管理職が発生するのでしょうか?
パワハラ加害者の多くは、自己愛性人格障害という病気だと考えられます。
自己愛性人格障害は、特別意識、自己中心性、共感力欠如を特徴とする病気で、ハラスメント気質といっていいでしょう。
【目次・パワハラする人の特徴】
それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。
自分が優位だと思っている
自己愛性人格障害の症状に、特別意識の強さがあります。
自己愛性人格障害者は、自分は特別優秀で優位な存在だと、自己評価が高い傾向があります。
そのため、自己愛性人格障害者は、優秀でないとみなした部下に対してパワハラをすることが多いです。
精神的な不調をきたした部下は、「心が弱い」、「甘えだ」とさらに見下します。
「今時の若者は打たれ弱い」というのが、パワハラ加害者や予備軍の常套句です。
自己愛性人格障害者は、序列意識が強く、上の人には気をつかう一方、下の人に対しては横暴に振る舞います。
人使いが荒く、人をアゴで使う働き方を好み、自分の手足として忠実に動く駒だけを求めます。
パワハラ加害者の多くは、パワハラを受けた経験がありません。
自分はずっと優秀だったから、上司から叱責されることがなかったのだと、自慢に思っています。
自分の上司が、パワハラなどしない人格的に優れた人物だったということに気づくことはありません。
自己愛性人格障害者は、自分は特別優秀だという視点の発想しか持てないのです。
このように、パワハラ加害者は、自分は模範的で優秀な社員だと自惚れているのです。
関連記事:「特別意識とは?自己愛性人格障害の特徴」
部下が自分の思い通りならないと気が済まない
自己愛性人格障害の症状に、自己中心性の高さがあります。
自己愛性人格障害者は、少し自分の思い通りにならないだけで強い不満を抱くのが特徴です。
強い不満から癇癪を起こし、暴言や暴力に至るケースも珍しくありません。
このように、自己愛性人格障害者は暴君気質であり、上司になるとパワハラをすることが多いのです。
働きぶりのいい部下でも、「仕事のやり方が自分と違う」、「態度が悪い」などと、理不尽な理由をつけて、攻撃対象とします。
パワハラ上司は、毒親ならぬ毒上司としか言いようがありません。
パワハラ加害者は、パワハラを訴える部下の心が弱いと主張しますが、本当に心が弱いのはアンガーコントロールできないパワハラ加害者の方なのです。
強気な態度や強い言葉を出す人が、強い人なのではありません。
実際、パワハラ加害者は、自分が上司から叱責されると、とても落ち込み気弱になることが多いです。
このように、パワハラ加害者は、アンガーコントロールができない幼稚な人物なのです。
部下の気持ちが想像できない
自己愛性人格障害の症状に、共感力の欠如があります。
人の気持ちが想像できないため、人を傷つけたり、追い込んだりするような言動を平気でするのです。
パワハラ加害者の多くは、自分がハラスメントをしているという自覚がありません。
そのため、パワハラを指摘されても、それを認めることはなく、自己正当化しかしません。
特に、正論で詰めるコミュニケーションをとるパワハラ加害者は必ず、「自分は正しいことを言っただけだ」と主張します。
自己愛性人格障害者は、人の心情に無関心、あるいは鈍感です。
自己愛性人格障害者は、数値目標や、発言の内容が正しいかどうかなどの機械的な判断しかできないのです。
この性質から、自己愛性人格障害者は、情緒的な趣味を持たず、仕事第一主義であることが多いです。
パワハラ加害者が仕事第一主義の価値観で、ライフワークを大事にする部下の人格否定をするのはこのためです。
このように、パワハラ加害者は、共感力の欠如から無自覚で部下を追い詰めるコミュニケーションをとるのです。
まとめ
パワハラと自己愛性人格障害の関係について解説しました。
自己愛性人格障害は、特別意識と自己中心性、共感力欠如から、パワハラを行うことが多いです。
職場内だけでなく、家庭内や趣味サークルなどでも、上司のような上から目線で接するタイプも見られます。
パワハラをする側の方が病気であるため、パワハラを受けた人が自分を責める必要はありません。
あなたの周りに、パワハラ加害者はいませんか?
自己愛性人格障害者は、自分は正しいという考え方しかできないため、パワハラを認めることも、反省することもありません。
パワハラ気質は直る見込みが薄いため、異動や転職で逃げるのが一番シンプルな対処法です。
パワハラを受けると、自信を失ったり、職場不信になったりする人もいるでしょう。
パワハラのない普通の職場だってたくさんあるので、思いつめ過ぎずに行動に移すといいでしょう。