プロパガンダを信じる人の心理・自己愛性人格障害
プロパガンダとは、市民を特定の政治的世論へ誘導しようとする宣伝活動のことです。
市民を政府に盲信させるための国粋主義的な情報、あるいは、現政府を倒す目的の反政府主義的な情報が流されます。
プロパガンダにおいては、虚偽の情報や、出来事の一面を都合よく切り取った情報が流されやすい傾向があります。
プロパガンダには、情報の発信元が明確で事実に基づいているホワイトプロパガンダ、情報の発信元や内容が虚偽あるいは誇張されているブラックプロパガンダ、発信元が曖昧あるいは内容が真偽不明なグレープロパガンダがあります。
また、SNSでの宣伝工作やフェイクニュースなどによって、自国に有利となるように他国の選挙に干渉することを、ステルスプロパガンダといいます。
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なぜ、間違ったプロパガンダを信じる人がいるのでしょうか?
自己愛性人格障害(NPD:自己愛性パーソナリティ障害)という病気は、プロパガンダを信じやすいという特徴があります。
また、プロパガンダを流す人や利用する人の多くも、自己愛性人格障害の可能性があります。
プロパガンダを流す人、盲信する人、利用する人の心理と思考を理解することが重要となるでしょう。
【目次・プロパガンダに関わる人たち】
それぞれのについて、解説していきたいと思います。
プロパガンダを流す人の思考
自己愛性人格障害の特徴に、特別意識や特別願望があります。
特別意識は「自分は特別な存在だ」と確信すること、特別願望は「特別な自分になりたい」と願うことです。
いずれにしても、自分第一主義であり、他者に対する見下しや冷酷さを持つ人間性となります。
「自分の理想」や「理想の自分」を達成するためには、手段を選びません。
そのため、自己愛性人格障害者は、嘘のプロパガンダを流すことに抵抗がありません。
自己愛性人格障害者は、市民をバカだと見下しているため、常識的におかしな、無理のある内容のプロパガンダを平気で流します。
他者の人権に無関心のため、力によるデモの鎮圧も常套手段となるのです。
自分こそが権威の頂点だと考えるため、国連や国際司法裁判所の命令も意に介しません。
プロパガンダを盲信する人の思考
自己愛性人格障害の特徴に、自己中心性の高さがあります。
自己中心性の高さは、自分の見たいものだけ見たい「視野狭窄」や、自分に都合がいい情報を鵜呑みにする「思考停止」、自分は悪くないと開き直る「自己正当化」につながります。
そのため、自己愛性人格障害者は、プロパガンダを盲信してしまう人が多いのです。
愛国心は、人にとって大事なアイデンティティの一つであるため、誰しも自分の国が悪いと疑いたくありません。
プロパガンダは、そんな現実逃避につけ込んでいるのです。
また、自己愛性人格障害者は、新しいものや価値観を嫌い、従来の考え方や方法に執着する傾向が強いです。
そのため、高齢の自己愛性人格障害者の多くはネットを嫌い、テレビに依存します。
テレビの情報は全て正しい、テレビから必要な全ての情報が得られるというのもまた、盲信なのです。
高齢者を味方につけるためのプロパガンダとして、新しいもの・価値観の否定は効果的です。
プロパガンダを利用する人の思考
自己愛性人格障害の特徴に、過剰な承認欲求があります。
そのため、自己愛性人格障害者は、自分がいかにプロパガンダを信じている「模範的な人物」であるかをアピールしたがる人が多いです。
政府が大好きなのではなく、模範的な自分が大好きなのです。
プロパガンダを信じていない人を見つけると、糾弾したり、政府に通告したりして、見せかけの忠誠心を満足させます。
このタイプにとっては、忠誠心はファッションの一部なのです。
逆に、一般的な共通認識と逆の意見を述べる「逆張り」をすることで目立とうとするタイプもいます。
世間的におかしいと言われているプロパガンダに乗っかり、「これにも一理あるのではないか」などと言って、自身の頭の良さをアピールしようとするのです。
このタイプは、プロパガンダが正しいか否かや、自身の発言による影響について無関心、無責任であり、自分が目立つことしか頭にありません。
自己愛性人格障害は、想像力と共感力の欠如も特徴であるため、自分の発言によって傷つく人や迷惑を受ける人がいても平気なのです。
まとめ
プロパガンダに関する思考について、解説しました。
プロパガンダを流す人、盲信する人、利用する人は、自己愛性人格障害の可能性があります。
自己愛性人格障害者は、他者の意見や忠告を無視する傾向が強いです。
忠告すると逆恨みされる可能性もあるため、対応には注意が必要となります。
あなたの周りに、プロパガンダを話す人はいませんか?
普段は普通な人でも、政治に関する話題になると人が変わる人がいます。
プロパガンダを信じている人は、信じない人を内心でバカにしたり、敵とみなしていたりすることが多いです。
プロパガンダの話題が多い人には、本音を言わず、距離を置くのが一番安全でしょう。