自己愛性人格障害と無差別殺傷・ストーカー殺人・拡大自殺

リベンジ(復讐)事件とは、一方的に恨みを持った対象に対する復讐として、その対象に大きな危害を加える事件のことです。
社会に恨みを持った無差別巻き込み事件(無差別殺傷、立てこもり)や、好意を寄せた相手に対するストーカー殺人などがあげられます。
ターゲットを殺害した後に加害者が自殺する、拡大自殺となるケースも多いです。
ストーカー殺人や無差別巻き込み事件の犯人は、自己愛性人格障害NPD自己愛性パーソナリティ障害)の可能性が高いです。

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ここ最近、悲惨なリベンジ事件の報道が増えています。
何の罪もない人が、逆恨みを募らせた加害者によって危害を加えられるというのは、本当に許しがたいことです。
リベンジ事件の加害者の中には、「人を殺したら自分も死ねる」、「人を殺して死刑になりたい」などと、身勝手な動機を述べる者も多くいます。
犯行が計画的であるという点で頭は冷静ですが、動機に独特な自己中心性や被害妄想的な幼稚さが見られるというアンバランスさが見られるのです。
責任能力は間違いなくありますが、普通の人間とは違う思考を持つと考えるのが妥当でしょう。

リベンジ事件の加害者の多くは、自己愛性人格障害(NPD)の特徴が見られます。
リベンジ事件加害者には、以下のような共通点があります。
・被害者意識や被害妄想を持ち、人を逆恨みする。
・社会で孤立している。(友人がおらず、親類からも疎遠にされている。)
・自分の思い通りにならないと気が済まず、癇癪を起こす。
・被害者の気持ちや苦しさを想像できない。
・苦しいのは自分だと主張し、被害者ぶる。

これらの特徴は、自己愛性人格障害によく見られる特徴なのです。
自己愛性人格障害者は、自己中心的で癇癪を起こす性格が原因で、孤立している人が多いです。
そして、自分に不都合なことがあると、被害者意識や被害妄想を拗らせて、逆恨みする傾向があるのです。
自己愛性人格障害の原因は、溺愛や放任主義の環境で育ち、思いやりや我慢、想像力が身につかず、幼稚な人間性になることです。

リベンジ事件には、無差別殺傷、巻き込み放火、ストーカー殺人、アシッドアタックなどがあります。

【目次・リベンジ事件の例】

それぞれの犯罪について、解説していきたいと思います。

無差別殺傷

無差別殺傷事件とは、繁華街や学校、電車などの人が多く集まる場所で、無差別に人を襲う事件のことです。
犯行後、加害者が自殺するケースも見られます。
動機の多くは、個人に対する恨みではなく、社会全体に対する恨みです。
自分の人生が上手くいかない、理想通りでないことを、社会のせいだと逆恨みしているのです。
自己愛性人格障害は、被害者意識や被害妄想を特徴とする病気のため、このような思考に陥りやすいです。
また、無差別殺傷は、不特定多数を狙い、できるだけ多く殺傷しようします。
自己愛性人格障害は、人間らしい思いやりや想像力が乏しいため、できるだけ多く殺傷するにはどうすればいいかを機械的に計画するのが得意なのです。

巻き込み放火

巻き込み放火とは、人が多く集まるビルや電車の中で放火し、多くの人を巻き込む形で自殺を図る事件のことです。
令和になってから、無差別殺傷の手段として、放火が使われることが増えています。
巻き込み放火事件が増えたきっかけは、令和元年に発生した「京都アニメーション放火殺人事件」でしょう。
建物内で油をまいて火を付けたら大きな被害が出るということが、この事件で広く知られてしまいました。
臆病な加害者にとって、放火は他の手段に比べてハードルが低いのです。
自己愛性人格障害は、目立った人や事例に敏感でマネをする傾向があるため、模倣犯になりやすいのです。

ストーカー殺人

ストーカー殺人とは、執着した相手に裏切られたと被害者意識を募らせ、相手や家族・友人を殺害する事件です。
ターゲットにされるのは、元恋人や元配偶者だけでなく、一方的に好意を持たれただけの人も多いです。
動機は、自分への裏切りに対する復讐です。
自己愛性人格障害は、執着心と自己中心性が強いため、相手が自分の思い通りにならないと、裏切られたと被害者意識を持ちやすいです。
また、自己愛性人格障害は、一方的な恨みを増幅させ爆発すると、復讐行動をとる傾向があるのです。
無差別殺傷と同様に、ストーカー殺人でも巻き込み放火が増えています。

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アシッドアタック

アシッドアタックとは、ターゲットの人生を台無しにするために、ターゲットの顔に硫酸などの強酸をかける犯罪です。
アシッドアタックは、元々インドや中東で多く、フラれた男性が腹いせで相手の女性に酸をかけるというものでした。
日本では今までアシッドアタックはありませんでしたが、ネットによってアシッドアタックの存在が知られてしまいました。
ストーカーが、ターゲットに対する復讐としてアシッドアタックを行うケースが出てきています。
自己愛性人格障害は、陰湿な性格をしているため、相手を一生苦しめたいという考え方をすることもあるのです。

まとめ

リベンジ事件と自己愛性人格障害の関係について解説しました。
自己愛性人格障害は、危険性が高いにも関わらず、あまり知られていない病気です。
被害者意識や被害妄想は、自己愛性人格障害特有の症状です。
自己愛性人格障害者には逆上スイッチがあり、スイッチが入ると大きな事件を起こすリスクがあります。

あなたの周りに、逆恨みをする人はいませんか?
逆恨み癖や被害妄想が見られたら、自己愛性人格障害を疑うといいでしょう。
当サイトでは、自己愛性人格障害の特徴や対策についての情報をまとめています。
自己愛性人格障害者の対処に困ったら、当サイトを参考にしてみてください。