性加害者の特徴・自己愛性人格障害
性加害(性暴力)とは、同意のない相手に性的な行為を強要することです。
性的暴行を行った加害者は、強制わいせつ罪や強制性交等罪といった罪に問われます。
性加害者の多くは被害者の顔見知りで、仕事上の立場を悪用したケースも見られます。
性加害者やセクハラをする人は、自己愛性人格障害(NPD)という病気の可能性が高いです。
ここ最近、映画監督やベテラン俳優の性加害が告発され、問題となっています。
仕事上の立場を利用した性加害は、芸能界だけでなく、一般企業内でも発生しており、誰でも被害者になり得ます。
多くの健全な人は、性加害者の思考や心理が理解できないでしょう。
性加害者の思考・心理は、自己中心性、特別意識、共感力欠如の3つの特徴で説明することができます。
1. 自己中心性の高さから、性加害者は、自身の欲求を我慢することができません。
2. 特別意識の強さから、性加害者は、自分より立場が下の人の人権を無視します。
3. 共感力の欠如から、性加害者は、被害者の辛い気持ちが理解できません。
なぜ、このようなおぞましい人間性の人物が存在するのでしょうか?
自己中心性、特別意識、共感力欠如を特徴とする代表的な病気に、自己愛性人格障害(NPD)があげられます。
自己愛性人格障害は、人の気持ちが理解できず、平気で人を傷つけたり、陥れたりする病気です。
パワハラ、モラハラ、セクハラといったハラスメント加害者の多くに、この病気の傾向が見られます。
また、自己愛性人格障害は、ほとんど治らない病気だと言われています。
性犯罪の再犯率が極めて高いのも、性加害者の多くが自己愛性人格障害であるからでしょう。
自己愛性人格障害の特徴について理解することが、性加害を防ぐことにつながるでしょう。
【目次・性加害者の特徴】
それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。
自己中心性
自己愛性人格障害の特徴に、自己中心性の高さがあります。
自己中心性とは、自分のことだけを考え、人のための行動や我慢をしない性質のことです。
自己中心性が高いと、自身の欲求を我慢できないため、性加害者になりやすいです。
自分に甘く人に冷たい性格のため、自分の快楽のために人を平気で傷つけるのです。
また、自己中心性が高いと、物事を自分の都合のいいように解釈するようになります。
そのため、「相手が食事の誘いに応じたから」、「相手が自分の部屋に来たから」といった理由だけで、相手が同意したと曲解してしまうのです。
自己中心性の高い人は、言い訳ばかりしたり開き直ったりして、自分の非を認めることはありません。
性加害者の多くが、相手の同意があったと主張するのは、これが原因です。
特別意識
自己愛性人格障害の特徴に、特別意識の強さがあります。
特別意識とは、「自分は特別な存在だ」という考え方のことです。
特別意識のある人は、「自分は特別だから、何をしてもいい」という考え方をします。
特に、自分より立場の低い人に対しては横暴で、人間扱いしません。
仕事上の立場を悪用する性加害者は、好き勝手にする暴君のような人間性なのです。
また、特別意識の強い人は、相手を自分に従わせることに満足感を覚えます。
つまり、同意のある相手ではなく、嫌がる相手に行為を迫ることに興奮するのです。
特別意識の強い人は、自分が従わせた人の数を、自分の偉さだと認識します。
このような異常な認識を、「認知の歪み」といいます。
立場を悪用する性加害者は、性加害する自分が偉いと思っており、性加害には自分の偉さを確認する意味もあります。
そのため、性加害を何度も繰り返す常習犯となるのです。
関連記事:「特別意識とは?自己愛性人格障害の特徴」
共感力の欠如
自己愛性人格障害の特徴に、共感力の欠如があります。
共感力とは、人の気持ちを想像する能力のことです。
共感力が欠如していると、人の痛みや辛さを理解することができません。
そのため、共感力が欠如している人は、何かしらの加害者になりやすい傾向があります。
性加害者にも、この共感力欠如の特徴が見られます。
性加害者は、性加害が悪いことだという感覚も、自分が悪いことをしたという自覚もないのです。
また、性加害者は罪悪感を持たないため、自身の行いを仲間内で自慢することが多いです。
そうやって、性加害仲間を作るのです。
性加害仲間の中で、性加害の手口の情報共有や、性加害のセッティングなどを行うのです。
彼らにとって性加害は単なる享楽で、被害者は人ではなく「消費する物」でしかありません。
このようにして、特定の狭い業界の中で、性加害が文化として根付いてしまっているのです。
まとめ
性加害者の特徴について解説しました。
性加害者には、自己中心性、特別意識、共感力欠如といった自己愛性人格障害の特徴が見られます。
性加害者は、認知の歪みから、性加害を悪い行いだと認識できていません。
普通の人の感覚を持たないモンスターなのです。
あなたの周りに、セクハラをする人はいませんか?
パワハラ、モラハラ、セクハラの加害者の多くは、自己愛性人格障害の特徴が見られます。
ハラスメント加害者の行動原理は共通しているため、パワハラやモラハラをする人は、セクハラや性加害をする可能性が高いです。
モラハラ気質、パワハラ気質の人とは、できるだけ二人きりにならない方がいいでしょう。