ソシオパスとは？自己愛性人格障害との違い

承認欲求が強いのは、自己愛性人格障害

自己愛性人格障害は、承認欲求が強く、褒めや賞賛を欲しがるという特徴があります。
そのため、目上から褒められるために、目上の前で良い人ぶる優等生気質です。
表面的に良い人に見せようとする一方、陰でイジメをするような陰湿さを持ちます。
見下している人や、自分より目立っている人をイジメのターゲットにします。

ソシオパスは、反抗的な性格のため、目上から褒められることに興味がありません。
むしろ、ワルの自分が好きで、社会的評価を気にしません。
ソシオパスは、優等生ぶった自己愛性人格障害者を嫌う傾向が強いため、一番の天敵となります。
自己愛性人格障害者も、ソシオパスを見下しているものの、怖くてイジメのターゲットにできません。

自己愛性人格障害は意識高い系、ソシオパスは意識低い系だと覚えておくといいでしょう。

特別意識が強いは、自己愛性人格障害

自己愛性人格障害は、特別意識が強く、対等な人間関係を築けないのが特徴です。
自己愛性人格障害者は、フラットな関係性に興味がなく、アゴで使える子分を欲しがります。
あるいは、自分のプライドが傷つかない下の相手と、表面的な友人関係を築こうとします。
一見、友人グループのように見えて、見栄の張り合いやマウントのとり合いをしているケースもよく見られます。
また、自分にしか興味がないため、基本的に年下に対する面倒見が悪いです。
自分をチヤホヤしてくれる年下だけ特別扱いして贔屓します。
自己愛性人格障害者は、人をコントロールしようとする、モラハラをするという特徴もあります。
しかし、ソシオパスは反抗的な性格のため、コントロールもモラハラも効きません。
自己愛性人格障害は、自分の思い通りにならないソシオパスが苦手で避ける傾向があります。

ソシオパスは、自分と同じ境遇や価値観の人と、対等な友人関係を築くことができます。
友人グループの外の人に対しては攻撃的ですが、グループ内の人は大事にする傾向があります。
ソシオパスは、校則や社会的規範のようなルールを嫌いますが、仲間内では義理堅く、筋を通します。
兄貴分として、年下を可愛がる一面も見られます。

自己愛性人格障害は上下関係を好む、ソシオパスは似た者同士で仲間意識を持つと覚えておくといいでしょう。

一生治らないのは、自己愛性人格障害

自己愛性人格障害の一番の問題は、一生治らない、改善が難しい病気だということです。
なぜなら、自己愛性人格障害の思考は、自己正当化がベースとなっており、自分の悪い言動を反省することができないからです。
自己愛性人格障害は、人格形成期に甘やかされることで、自分は常に人から肯定されるべき存在だと脳にインプットされるのが原因です。
自分は正しい、自分は優れていると盲信しているため、反省することも感謝することもできません。
子供を我儘にさせる溺愛は、本当の愛情ではないのです。

ソシオパスは、自己愛性人格障害と違って、治る可能性のある病気です。
ソシオパスは、劣悪な成育環境で、幼少期に愛情が与えられなかったことが原因です。
人格形成期に愛情が与えられないことで、人間不信になり社会性が育まれなかったのが、ソシオパスなのです。
遺伝性の冷徹さを持つサイコパスと異なり、ソシオパスは本来、普通の人なのです。
そのため、学校や職場などで良い出会いがあり愛情を受けると、思考や素行が治る可能性があります。
他者から愛情や親切さを受けることで、感謝の気持ちが芽生えるのが、ソシオパスが治るきっかけとなります。
学生時代は荒れていたのに、ちゃんとした大人になる人は、ソシオパスが改善したケースと考えられるでしょう。
ソシオパスは、周囲に迷惑をかける人物ですが、思考が改善されれば、過去の自分の行動を反省することができます。

自己愛性人格障害は一生治らない、ソシオパスは治る可能性があると覚えておくといいでしょう。

まとめ

ソシオパスと自己愛性人格障害の違いについて、解説しました。
ソシオパスと自己愛性人格障害は、自己中心性と共感力欠如が共通していますが、本質は正反対です。
承認欲求や特別意識、反省・改善のなさが見られたら、自己愛性人格障害です。
自己愛性人格障害者は世間体を気にして良い人ぶるのに対し、ソシオパスは粗暴な自分を隠すことはありません。
どちらも厄介な人物ですが、善人の仮面を被る自己愛性人格障害の方が分かりにくいため、気をつけた方がいいでしょう。